過去帳とは
──誰が書くのか、位牌との違い
仏壇を開けたら、お位牌ではなく帳面が置かれていた。それが過去帳(かこちょう)です。
過去帳とは何か
過去帳は、亡くなった方の法名・戒名、没年月日、俗名などを記録しておく帳面です。主に浄土真宗で使われますが、他の宗派でも、ご先祖の記録をまとめる目的で使われることがあります。
お位牌が「故人そのもの」として扱われるのに対して、過去帳は記録としての性格が強いものです。代々書き足されて、家に受け継がれていきます。
なぜ浄土真宗では位牌を使わないのか
浄土真宗で位牌を用いないのは、教えの違いによるものと説明されます。
浄土真宗では、亡くなればただちに仏になると考えます。そのため、この世に故人の霊がとどまるという考え方をとらず、位牌そのものに魂が宿るとも考えません。生前の官位を記す必要もない、と説明されます。
ただし「位牌があるから浄土真宗ではない」とは言い切れません
ここが実際にはややこしいところです。
現場で数多くのお宅の仏壇を拝見してきましたが、浄土真宗のお宅でも、お位牌が置かれていることはありました。頻繁ではありませんが、たまに見かける、という程度にはあります。
ですから、「位牌がある=浄土真宗ではない」という判断はできません。逆に「過去帳がある=浄土真宗の可能性が高い」という向きの判断のほうが、手がかりとしては使えます。
宗派チェッカーでも、過去帳があるかどうかは大きな手がかりとして扱っていますが、それだけで断定はしない作りにしています。
過去帳は誰が書くのか
一般には、菩提寺のご住職に書いていただくのが望ましいとされます。ご家族が書くこともある、と説明されることもあります。
現場でご遺族に「過去帳は誰が書くのか」と尋ねられたときは、お寺に書いてもらうものです、とお答えしていました。
法名や戒名は、そもそもお寺からいただくものです。書き入れる文字を間違えると直すのが難しいので、お寺にお願いするのが確実です。
どこに置かれているのか
現場での実感としては、見台(けんだい)に載せて、開いた状態で出しているお宅が多い印象でした。見台は、過去帳を開いて立てておくための小さな台です。
お伺いした際に、ご遺族が奥から出してこられることもあれば、はじめから仏壇に置かれていることもありました。
ご自宅の宗派を調べたいときは、まず仏壇を見て、位牌があるか、過去帳があるかを確認するのが早い方法です。
法名軸について
浄土真宗では、過去帳のほかに法名軸(ほうみょうじく)という掛軸の形式も用いられます。仏壇の側面などに掛けて、法名を記しておくものです。
現場では、過去帳と法名軸のどちらも実際に目にしています。どちらか一方が正しいというものではありません。ご家庭やお寺によって、どちらを用いるかが変わります。
仏壇を見て位牌が見当たらないときは、帳面(過去帳)だけでなく、掛軸が掛かっていないかも確認してみてください。
最終的な確認先
過去帳の扱いや書き方は、地域やお寺によって違いがあります。ここに書いたことは目安としてお読みください。
記入や、ご自宅の宗派の確認は、菩提寺(お付き合いのあるお寺)にご相談ください。