焼香の回数は宗派で違う
──でも、いちばん確実な確認方法があります
焼香の順番が近づいてから「何回だったか」と焦る。これは本当によくあることです。先に結論を書きます。
結論:分からなければ、会場のスタッフに聞くのが早い
葬儀の現場では、参列者の方から回数を尋ねられることがありました。そのときは、「本日の○○家様は○○宗ですので、○○回です」というように、その日の宗派に合わせてお答えしていました。
あわせて、香をおしいただくかどうかも身振りを交えてお見せしていました。言葉だけだと伝わりにくいからです。
聞かれれば答えていましたので、式が始まる前に、近くのスタッフに声をかけていただくのがいちばん確実です。その日の宗派はスタッフが把握しています。
宗派別の回数の目安
一般には、次のようにいわれています。
- 真言宗 ── 3回
- 天台宗 ── 3回(特に定めはないとする説明もあります)
- 浄土宗 ── 1〜3回(厳密な決まりはないとされます)
- 浄土真宗 本願寺派 ── 1回。おしいただかない
- 浄土真宗 大谷派 ── 2回。おしいただかない
- 曹洞宗 ── 2回
- 臨済宗 ── 1回
- 日蓮宗 ── 1回または3回
これらはあくまで目安です。回数については地域やお寺によって異なると、どの情報源も断っています。参列者が多いときは「1回でお願いします」と案内されることもあります。
ご自宅の宗派が分からない場合は、仏壇や位牌の特徴から推定する診断もご利用ください。
「おしいただく」とは
抹香をつまんだあと、額のあたりまで近づけて、目より高い位置に掲げる所作のことです。
浄土真宗では、本願寺派・大谷派ともおしいただかず、つまんだらそのまま香炉にくべるとされています。回数の違いよりも、この所作の違いのほうが見た目にはっきり出ます。
実際のところ、みんな守っているのか
正直にお伝えします。
宗派にお詳しい方や、スタッフに尋ねてから焼香された方は、その通りにされていました。ただ、全員が守っていたかというと、そうではありません。
宗派は人それぞれですし、参列者ご自身の家の作法で行う方もいます。現場の感覚としては、回数は絶対のものではありませんでした。
回数を間違えたからといって、咎められるようなことはありません。気にしすぎなくて大丈夫です。
合掌の仕方が違うこともあります
宗派によっては、合掌の仕方が違う場合があります。よく知られているのが、真言宗の金剛合掌(こんごうがっしょう)です。両手を合わせたときに、右手の指が左手の指の上になるように、指を交互に組む形とされます。
ただし、合掌そのものについては宗派ごとの違いはほとんどない、と説明されることも多くあります。参列する立場で、ここまで気にする必要はないでしょう。
焼香以外にも違いはあります
現場で式に立ち会っていると、宗派によって違うのは焼香だけではありませんでした。
- 読まれるお経の長さや種類
- 鳴り物を使うかどうか
こうしたところが宗派によって変わります。さらに言えば、同じ宗派でも、お坊さんによって違いました。
もっとも、参列者の方でここまで細かくご存じの方はほとんどいません。式の流れは進行に従っていれば問題ありませんので、心配は要りません。
最終的な確認先
焼香の作法は、地域やお寺によって異なります。ここに書いたことは目安です。
その場で確実に知りたいときは会場のスタッフに、ご自宅の作法を正しく知りたいときは菩提寺にご確認ください。